作品感想:さよならの朝に約束の花をかざろう

今まで興行収入を見守りたいページでは個別の作品に言及することはあえて避けていたのですが、こちらの興行収入を見守りつつサイトを開始するにあたっては、その禁を破り紹介や感想を述べることにしました。その最初に取り上げるは「さよならの朝に約束の花をかざろう」です。

(C)PROJECT MAQUIA

異世界を舞台にしたファンタジー系作品や過去アニメ演出をされた事のない監督の作品は、過去のアニメ映画の歴史の中で打率が良いとは思ってなかったので、正直作品を見る前はあまり期待を持っていませんでした。特に監督については、シナリオよりも作画よりも、その演出に重きを置いて鑑賞するので自分自身は非常にこだわりがあります。

さて、作品を見ての感想ですが、シナリオは素直に良かったと思います。過去の作品でも多く描かれてきた異なる時間軸で生きる登場人物を背景としていますが、エピソードやシチュエーション、セリフ回しが上手に配置され、120分弱の一本の作品としてとても良くまとめられていました。過去数々の作品をこなしてきた岡田さんの力量は、監督という役職にもつぶされることなく発揮されていると感じました。

では、そのシナリオを基にした演出ですが、一定レベルの作画やレイアウト、カット割りによって隙なく作られいました。ただ、その演出は監督につかれた技量の高い複数の演出家によって普通のアニメ作法に従って作られたような印象のため、特に光るものやその個性は残念ながら見つけられず、鑑賞後他人へ積極的に布教する熱量は感じさせませんでした。

自分用のコレクション内にBlu-rayを購入して、今後何度か見直してみるのは良いかなという印象です。

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コメント

  1. kh より:

    この作品は岡田氏が主導で全会議にも出席して演出などにも拘りをも持っって作ったと語られていたので素直に評価すればいいと思います